長時間労働者への対応に関する取り組み
長時間労働はなぜいけないのでしょうか。
健康経営を行う上で考えなければいけないのは、従業員の心身のことです。
長時間労働をする事で、確実に従業員の身体と心に負荷がかかります。
そのまま放置しておくことで、戦力だった従業員の心身に異変が起こるかもしれません。
その可能性を少なくするためにも、長時間労働については把握と対策が必須といえます。
1. 長時間労働面談
労働安全衛生法の改正により、脳・心臓疾患の発症を予防するため、長時間にわたる労働により疲労の蓄積した労働者に対し、企業は医師による面接指導を実施することが義務付けられました。この面接指導の際には、うつ病等のストレスが関係する精神疾患等の発症を予防するために、メンタルヘルス面での配慮も必要です。また、業務の過重性は、労働時間のみによって評価されるものではなく、就労様態の諸要因も含めて総合的に評価される必要もあります。
面接指導は、時間外・休日労働時間が1月あたり80時間を超えた社員からの申出により行われます。また、この面接指導の対象とならない社員についても、脳・心臓疾患発症の予防的観点から、面接指導または面接指導に準じた必要な措置を講ずるように努める必要があります。
2. 労働時間の適正な把握
平成13年4月6日、厚生労働省は「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき基準」を公表しています。労働時間とは使用者の指令命令下に置かれている時間であり、使用者の明示または黙示の指示により社員が業務に従事する時間に当たります。たとえば、参加することが業務上義務付けられている研修・教育訓練の受講や、使用者の指示により業務に必要な学習等を行う時間も該当します。
使用者は、社員の労働日ごとの始業・就業時刻を確認し、適正に記録を行わなければなりません。その原則的な方法は下記の通りになります。
- 使用者が、自ら現認することにより確認すること
- タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適正に確認すること
なお、管理監督者は上記対象者の適用とはなりません。しかし、適用されない社員についても、健康確保を図る必要がありますので、管理監督者にも過重な長時間労働を行わせないようにするなど、適正な労働時間管理を行う責務があります。
3. 36協定・特別条項
36協定とは
労働基準法では、労働時間は原則として、1日8時間・1週40時間以内とされています。これを「法定労働時間」といいます。休日は原則として、毎週少なくとも1回与えることとされています。法定労働時間を超えて社員に時間外労働をさせる場合は、労働基準法第36条に基づく労使協定(36協定)を締結し、労働基準監督署へ届出をする必要があります。36協定では、「時間外業務を行う業務の種類」や「時間外労働の上限」などを決めなければなりません。
特別条項とは
36協定の特別条項では、時間外労働の上限である1月45時間・1年360時間以内を超えた時間について、臨時的な特別な事情があればこれを超えて労働をさせられると定めています。ただし、臨時的な特別な事情があって労使が合意する場合でも、以下を守らなければなりません。
- 時間外労働が年720時間以内
- 時間外労働の合計時間が月100時間未満
- 時間外労働の合計について、「2か月平均」「3か月平均」「4か月平均」「5か月平均」「6か月平均」が全て1月当たり80時間以内
- 時間外労働が月45時間を超えることができるのは、年6か月が限度
上記に違反した場合には、罰則(6か月以下の懲役または30万円以下の罰金)が科される恐れがあります。
※ 健康経営銘柄選定必須要件 兼 健康経営優良法人(大規模法人部門)認定要件(PDF) ≫
《参考資料》
〇厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署「長時間労働者への医師による面接指導制度について」(PDF) ≫
〇厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」(PDF) ≫
〇厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」(PDF) ≫
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