運動機会の増進に向けた取り組み
健康経営を行うということは、すでに問題を抱えている人たちにだけ目を向けるというものでもなければ、
現状を知るというだけでもありません。たとえ現在は、何の不調がなかったとしても、
日々を過ごしていく上で何も対策を取っていなければ、健康に影を落としてしまうこともあります。
従業員に対して運動機会を経営者側が意図的に増やすことで、
健康増進や生活習慣病の予防対策にもなるということを改めて考えさせてくれるのがこの項目です。
1. 身体活動の実情
忙しい社会人にとって身体を動かす時間をつくることは、難しいことです。厚生労働省の発行するアクティブガイドでは、18~64歳の男女に対し、1日8,000歩に相当する身体活動を推奨しています。しかしながら、「平成29年国民健康・栄養調査」によれば、20~64歳の歩数の平均値は男性7,636歩、女性6,657歩でした。また、20~64歳の運動習慣のある者の割合は、男性26.3%、女性20.2%であり、その割合は男性で30歳代、女性で20歳代が最も低く、それぞれ14.7%、11.6%でした。就労世代は、十分な歩数が歩けていなかったり、運動習慣を持てなかったり、運動や身体活動が不足しやすい傾向にあります。
2. 身体活動の効果
日頃から身体を動かすことで、健康増進はもとより、さまざまな健康リスクを下げる効果があります。具体的には、以下のような効果があります。
- 動脈硬化性疾患(心筋梗塞など)にかかるリスクの低下
- 心肺機能が向上し、感染症にかかるリスクの低下
- 体温が上昇し、リラクゼーション効果が得られることで睡眠障害が改善
- 体脂肪を減らして肥満の予防・改善
- ストレスの発散やリラクゼーション効果があり、うつや不安な気分の予防・改善
3. 身体活動の定着のために
身体活動の定着させるために心がけていただきたいポイントを2つお伝えします。
日常生活の中で身体を動かす
身体活動を増やすために、日常生活における活動を見直し、まずはできそうなことから始めてみましょう。たとえば、車での通勤をやめて自転車通勤にしたり公共の交通機関を使って歩く機会を増やす、エスカレーターやエレベーターではなく、階段を使うなどの工夫もおすすめです。仕事などで別の機会を設けて運動することが難しい場合も、普段の生活の中で体を動かす機会をつくることで、活動量を増やすことができます。
企業の具体的な取り組み事例
- 階段利用を推奨するポスターの貼付
- 上った階段の段数に応じた消費エネルギー量を貼付
- 音声教材や社内放送を活用したラジオ体操を実施
- 自転車や徒歩による通勤の推奨
- 全社員に歩数計を配布
- 歩数計を活用した個人またはチーム対抗による歩数のランキング競争や成績に応じた表彰を行う
運動習慣を身につける
一般的に「運動習慣がある」とは、「1回30分以上の運動を週2回以上実施し、1年以上続けている」ことを指します。運動を始めることは比較的簡単です。ところが、続けていくことが難しいのではないでしょうか。以下、運動習慣を定着させるための4つのコツをお伝えします。
- 目に見える結果をつくる
- コツコツと簡単な運動を積み重ねる
- 日常生活やゆるやかな強制力を利用する
ex)スポーツジムに申し込む - 自分へのごほうびを用意する
ex)新しいスポーツウェアやシューズを購入する
企業の具体的な取り組み事例
- クラブ活動費やフィットネス利用料を一部負担する
- 個人が余暇で行う運動へ補助を行う
※ 健康経営銘柄選定必須要件 兼 健康経営優良法人(大規模法人部門)認定要件(PDF) はこちら ≫
《参考資料》
〇厚生労働省「アクティブガイド-健康づくりのための身体活動方針-」(PDF) はこちら ≫
〇スポーツ庁「スポーツエールカンパニー2022」はこちら ≫
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